フタリシズカ

数年前に株分けしていただいたフタリシズカが咲きました。保険をかけて数か所に植えましたが、どちらも順調です。

大好きな小池真理子さんの小説『冬の伽藍』にこの花が出てきます。小説の中でも軽井沢に実在する荻原植物園、主人公の悠子がそこで買い求め、恋人とはまだ呼べないような関係の義彦先生に贈った花です。

フタリシズカの鉢植えを義彦に贈る場面の悠子の心理がよく表れていて、好きな一節です。

蘭でもなくベゴニアでもなく、水仙でもパンジーでもない、
フタリシズカ、という名の花を彼に贈る・・・
フタリシズカっていう花、今日どうしても先生に贈りたくなったんです。
先生の持っていらっしゃる静けさが、私を慰めてくれたから。